40代のたんぱく質摂取量|体重×何g?計算式と1日の実例で解説

① BFRトレーニング基礎


「40代になったら、たんぱく質を意識したほうがいい」とはよく言われる。だが、実際に1日何グラム摂ればいいのかを、体重を使って計算できる人は少ない。

先に結論を書く。筋力トレーニングを含む運動習慣があり、筋肉の維持・向上を目指す40代なら、体重1kgあたり1.2〜1.6gが実用的な目安だ。

ただし、1日の合計量だけを確認して終わりではない。まずは1日に必要な量を満たすことが基本であり、そのうえで、1食あたりの量や食事ごとの配分も整えたい。

特に、朝食が少なく夕食に偏りやすい人は、朝・昼・夜に分けることで、無理なく必要量を確保しやすくなる。本記事では、1日の目安量と食事ごとの考え方を、研究と現場経験の両面から解説する。


40代に必要なたんぱく質量の目安

まず、海外の基準などでよく引用される「体重1kgあたり0.8g」という数字について整理しておきたい。

これは、健康な成人の必要量を満たすための基準として使われる量であり、筋肉の維持や筋肥大を最大化するための量を示したものではない。筋力トレーニングを含む運動習慣があり、筋肉の維持・向上を目指す人では、これより多い量が必要になる場合がある。

そのため、運動習慣のある人が筋肉の維持・向上を目指す場合には、0.8g/kgだけを目標にすると十分でない可能性がある。

運動習慣のある人の実用的な範囲は、体重1kgあたり1.2〜1.6gだ。体重別に示すと次のようになる。

体重1.2g/kgの場合1.6g/kgの場合
50kg60g80g
60kg72g96g
70kg84g112g
80kg96g128g

いきなり1.6g/kgを目指す必要はない。まずは1.2g/kgを安定して満たせるようになることを、最初の目標にするとよい。


なぜ40代からたんぱく質量を意識したいのか

「年齢を重ねたら、むしろ少食でいいのでは」と考える人もいる。しかし、筋肉に関しては逆だ。

加齢に伴い、筋肉はたんぱく質や運動による刺激に反応しにくくなることがある。この現象は「同化応答の低下(アナボリック・レジスタンス)」と呼ばれ、特に高齢者を対象とした研究で確認されている。

ただし、40代のすべての人に明確な同化応答の低下が起きている、という意味ではない。この結果を40代にそのまま当てはめることはできない。

40代では、年齢だけを理由に大量のたんぱく質を摂るのではなく、筋力トレーニングを続けながら、必要量を安定して確保することが重要になる。

参考として、65歳以上を対象とした国際的な提言であるPROT-AGEでは、健康な高齢者に1kgあたり1.0〜1.2g、運動をしている人には1.2g以上が推奨されている。40代にそのまま適用する基準ではないが、将来の筋肉量を維持するために、早い段階から食事と運動を整える参考にはなる。


1日の合計を満たしたうえで「1食あたり」も考える

ただし、目標量を1日で満たせば、それだけで十分というわけではない。まずは、1日に必要なたんぱく質量を確保することが基本。そのうえで、1食あたりの量や食事ごとの配分を整えると、無理なく安定して摂りやすくなる。

特に見直したいのが朝食だ。夕食では十分に摂れていても、朝はトーストとコーヒーだけという人は少なくない。朝・昼・夜に分けて摂ることで、夕食にまとめて食べる負担を減らしながら、1日の必要量を満たしやすくなる。

食材目安量たんぱく質量
鶏むね肉(皮なし)100g約22g
1個約6g
納豆1パック約7g
木綿豆腐1/2丁(150g)約10g
1切れ(80g)約18g
ギリシャヨーグルト1個(100g)約10g

たとえば朝食に「卵1個+納豆1パック+ヨーグルト1個」を加えれば、それだけで20g以上になる。特別な食品を買わなくても、組み合わせで届く量だ。


たんぱく質はどこまで増やせばよいのか

「多ければ多いほど筋肉がつく」わけではない。

筋トレとたんぱく質摂取の関係を調べた大規模な分析(49研究・1863名)では、1日の総摂取量が体重1kgあたり約1.62g付近になると、除脂肪量の増加に対する平均的な追加効果が小さくなると推定されている(※2)。

ただし、1.62g/kgは安全性を示す上限ではなく、すべての人に当てはまる明確な境界線でもない。トレーニング量や総摂取エネルギー、減量中かどうかなどによって必要量は変わる。

一般的な筋肉の維持・向上を目的とする40代では、まず体重1kgあたり1.2〜1.6gの範囲を安定して満たすことが、現実的な目標になる。

腎疾患のない健康な人では、現在までの研究で、高たんぱく質の食事が腎機能を明確に悪化させるという一貫した結果は確認されていない。ただし、非常に多い量を長期間摂り続けた場合の影響については、まだ不明な点も残る。

腎臓に持病がある方や、腎機能について医師から指摘を受けている方は、自己判断で摂取量を増やさず、主治医や管理栄養士に相談してほしい。


食事だけで足りないときの補い方

大前提として、たんぱく質はまず食事から摂るのが基本だ。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品をバランスよく食べることが、栄養面でも満足感の面でも優れている。

そのうえで、どうしても食事だけでは届かない場面がある。朝が忙しくて品数を増やせない、外食が多く選択肢が限られる、トレーニング後すぐに食事をとれない——こうしたときに、プロテインは「不足分を埋める道具」として役立つ。あくまで食事を補うものであって、食事の代わりではない。

自分に合った製品の選び方は、含有率・g単価・添加物などの観点から別記事で詳しくまとめている。

40代のプロテインの選び方|含有率・g単価・添加物で選ぶ11製品


まとめ

40代のたんぱく質について、要点を整理する。

  • 運動習慣のある40代の目安は、体重1kgあたり1.2〜1.6g(体重60kgで72〜96g)
  • 加齢とともに「同じ量でも筋合成が起きにくくなる」ため、若い頃より多めが推奨される
  • 合計量より、1食あたり20〜30g × 1日3〜4回の配分のほうが重要
  • 特に朝食のたんぱく質不足が起きやすい。まず朝に一品足すことから
  • 筋肉づくりの観点では1.6g/kg前後が上限の目安。それ以上は追加効果が乏しい
  • 腎臓に持病のある方は、必ず主治医に相談のうえで摂取量を判断すること

数字を完璧に管理する必要はない。まずは自分の体重から下限(×1.2g)を計算し、朝食を見直すところから始めれば十分だ。


参考文献

参考文献

※1 Bauer J, Biolo G, Cederholm T, et al. Evidence-based recommendations for optimal dietary protein intake in older people: a position paper from the PROT-AGE Study Group. J Am Med Dir Assoc. 2013;14(8):542-559. doi:10.1016/j.jamda.2013.05.021

※2 Moore DR, Churchward-Venne TA, Witard O, et al. Protein ingestion to stimulate myofibrillar protein synthesis requires greater relative protein intakes in healthy older versus younger men. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2015;70(1):57-62. doi:10.1093/gerona/glu103

※3 Mamerow MM, Mettler JA, English KL, et al. Dietary protein distribution positively influences 24-h muscle protein synthesis in healthy adults. J Nutr. 2014;144(6):876-880. doi:10.3945/jn.113.185280

※4 Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52(6):376-384. doi:10.1136/bjsports-2017-097608

※5 Devries MC, Sithamparapillai A, Brimble KS, Banfield L, Morton RW, Phillips SM. Changes in kidney function do not differ between healthy adults consuming higher- compared with lower- or normal-protein diets: a systematic review and meta-analysis. J Nutr. 2018;148(11):1760-1775. doi:10.1093/jn/nxy197


本記事の情報は一般的な解説であり、個別の医療的アドバイスではありません。腎疾患をはじめとする持病のある方、妊娠中の方は、必ず医師に相談のうえで判断してください。

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