― 指導歴20年のトレーナーが、期待値と現実の両方を伝える ―
「どれくらいで効果が出ますか?」
BFRトレーニングを始めようとしている方から、最もよく聞かれる質問の一つだ。
結論を先に言う。
「体の調子が変わる」のは早い。「見た目が変わる」のには時間がかかる。
この2つを混同したまま始めると、効果が出ているのに「変化がない」と感じてやめてしまうことになる。20年現場をやってきた立場から、期待値と現実の両方を正直に伝える。
変化には「2種類」ある
BFRトレーニングで起きる変化は、大きく2種類に分けて考えると整理しやすい。
① コンディションの変化(早く出る) 体の調子・疲労感・動かしやすさ・不調の減少など
② 形態的な変化(時間がかかる) 筋肉量の増加・見た目の引き締まり・筋力の数値向上など
多くの方が「効果」として期待しているのは②だが、実際に先に感じられるのは①だ。この順番を知っておくだけで、続けやすさが大きく変わる。
① コンディションの変化:1回〜1ヶ月で感じる方が多い
現場で20年指導してきた中で、40代のクライアントから最初に出てくる言葉は「調子がいい」「体が軽い」「なんか疲れにくくなった」というものが多い。
具体的には以下のような変化が比較的早い段階で現れやすい。
- トレーニング後のパンプ感・充実感
- 日常の疲れやすさが減った
- 体の動かしやすさ、可動域の感覚が変わった
- 冷えやむくみが和らいだ
- 不調が以前より気にならなくなった
これらは「見た目」には現れにくいが、確実に体の中で変化が起きているサインだ。
40代以降は血流や自律神経の変化が体調に直結しやすいため、血流をコントロールするBFRトレーニングはこうしたコンディション面への影響が出やすい傾向がある。
「効果がない」と感じる前に、まずここに注目してほしい。
② 見た目・筋力の変化:週2回で3ヶ月、週1回で半年が目安
現場での実感として、40代が「見た目の変化」を感じるまでの期間はおおよそ以下の通りだ。
| 頻度 | 見た目の変化が出始める目安 |
|---|---|
| 週2回 | 3ヶ月前後 |
| 週1回 | 半年前後 |
これは「遅い」ように見えるかもしれないが、40代の体の特性を考えると自然な数字だ。
20〜30代と比べて、40代は筋タンパクの合成速度が低下し、回復にも時間がかかる。ホルモン環境も変化しているため、同じ刺激でも筋肉が反応するまでに時間が必要になる。
逆に言えば、週2回を3ヶ月継続できれば、40代でも見た目は確実に変わる。
効果が出にくいパターンと、その正直な話
よくある原因
現場で「効果が感じにくい」という声が出るときに多いパターンがある。
トレーニング強度・頻度が低すぎる パーソナルトレーニングは基本的に時間が決まっているため、どうしてもセッション全体がスローペースになると種目量が減る。週1回・強度が低めでは、変化が出るまでの期間が長くなる。
生活習慣との乖離 睡眠不足・過食・運動不足の日常が続いていると、トレーニングの効果が相殺されやすい。BFRは強力なメソッドだが、生活習慣の土台なしに単体で劇的な変化を起こすものではない。
継続できていない 週1〜2回を「続ける」ことが最も難しく、最も大切だ。きつすぎるトレーニングで挫折するより、物足りなくても続けられる方が、長い目で見ると成果が出やすい。
ただ、2週間に1回だと現状維持がやっと、という感じだ。
それでも全くやらないよりは断然良い。
トレーナー側の正直な話
効果が出ないとき、原因がクライアント側の生活習慣にある場合も実際には多い。
ただ私自身は、「効果が出ないのはトレーナーとしての自分の責任」という前提で取り組んでいる。
圧設定が適切だったか。頻度の提案は現実的だったか。効果が出るトレーニングフォーム、強度か。モチベーションを維持できる関わり方ができていたか。改善できる余地は常にトレーナー側にもある。
生活習慣まで含めてサポートできるのが、パーソナルトレーナーとしての本来の役割だと思っている。
「続けること」が最大の効果を生む
BFRトレーニングは、正しく継続できれば40代でも確実に体は変わる。
ただ、変化には順番がある。
- まず「体の調子が変わる」(1回〜1ヶ月)
- 次に「動き・体力が変わる」(1〜3ヶ月)
- そして「見た目が変わる」(3〜6ヶ月)
この順番を知らないまま「見た目の変化」だけを追いかけると、途中で諦めてしまいやすい。
最初の1〜2ヶ月は「見た目」より「調子」を指標にする。
それだけで、BFRトレーニングの継続率は大きく変わると実感している。
まとめ
- 体調・コンディションの変化は1回〜1ヶ月で感じやすい
- 見た目・筋力の変化は週2回で3ヶ月、週1回で半年が現場での目安
- 効果が出にくい主な原因は「強度・頻度不足」と「生活習慣」
- きつすぎて続かないより、続けられる強度で長く続ける方が結果につながる
- 最初の変化指標は「見た目」より「体の調子」に置く
BFRトレーニングは、40代の体づくりにおいて本当に有効な選択肢だ。ただし、魔法ではない。正しい頻度・強度・生活習慣とセットで初めて、その力が発揮される。
焦らず、まず「調子の変化」を楽しみながら続けてほしい。
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参考文献
- Loenneke JP, et al. (2012). Low intensity blood flow restriction training: a meta-analysis. European Journal of Applied Physiology, 112(5), 1849–1859.
- Lixandrão ME, et al. (2018). Magnitude of Muscle Strength and Mass Adaptations Between High-Load Resistance Training Versus Low-Load Resistance Training Associated with Blood-Flow Restriction. Sports Medicine, 48(2), 361–378.
- Patterson SD, et al. (2019). Blood Flow Restriction Exercise: Considerations of Methodology, Application, and Safety. Frontiers in Physiology, 10, 533.
著者:BFRトレーナー(KAATSU JAPAN認定・NSCA-CPT・CSCS保有)|血流制限トレーニング指導歴約20年


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